開業届は必要?チャットレディが個人事業主になるメリット・デメリット

チャットレディとして活動を続けていく中で、「開業届を出した方がいいのか?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。開業届を提出すると個人事業主としての扱いになり、税制面でのメリットが得られますが、一方でデメリットもあります。本記事では、チャットレディが開業届を出すメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

開業届とは?

開業届とは、個人が事業を始める際に税務署へ提出する書類のことです。正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」で、事業開始から1ヶ月以内に提出することが推奨されています。ただし、提出しなかった場合でも違法ではなく、罰則はありません。

チャットレディが開業届を出すメリット

1. 青色申告が可能になり、税金が安くなる

開業届を提出すると、青色申告を選択できるようになります。青色申告には以下のような特典があります。

  • 最大65万円の特別控除(複式簿記で申告した場合)
  • 赤字を3年間繰り越せる(前年の赤字を翌年の所得から差し引ける)
  • 家賃・通信費・光熱費などを経費として計上しやすい

2. 事業としての信頼性が高まる

個人事業主になることで、銀行や金融機関からの信用が高まり、事業用クレジットカードやローンの審査が通りやすくなることがあります。また、正式な事業として継続する意思を持つことで、収入管理の意識も高まります。

3. 屋号を設定できる

開業届を出すと、屋号(ビジネスネーム)を自由に決めることができます。屋号を使って銀行口座を開設することも可能になり、プライベートと仕事の収入を分けて管理しやすくなります。

4. 経費をより幅広く計上できる

開業届を提出し青色申告をすることで、自宅の家賃や水道光熱費の一部、パソコンや衣装代などを経費にしやすくなります。例えば、チャット用に使っている部屋の家賃を按分して経費にできるなど、節税効果が期待できます。

チャットレディが開業届を出すデメリット

1. 社会保険の扶養から外れる可能性がある

開業届を出し、個人事業主として収入を申告すると「事業所得」扱いになります。そのため、配偶者の扶養に入っている場合、年間の収入が130万円を超えると扶養から外れ、自分で健康保険や年金を支払う必要が出てきます。

2. 確定申告の手間が増える

青色申告をする場合、収入と経費の記録を適切に管理する必要があります。複式簿記を用いた帳簿を作成しなければならず、手間が増えるため、税理士に依頼する費用や会計ソフトの導入が必要になる場合もあります。

3. 住民税や国民健康保険の負担が増える

事業所得が増えると、住民税や国民健康保険料が増加する可能性があります。特に、会社員と違い「源泉徴収」がないため、税金を自分で納める必要があります。

4. 事業用口座の管理が必要

個人事業主になると、収入と経費をしっかり管理する必要があります。事業用の銀行口座を作り、日々の取引を記録するなど、お金の管理が大変になることも考えられます。

開業届を出した方が良い人・出さなくても良い人

開業届を出した方が良い人

  • 年間の収入が一定以上あり、税金を節約したい
  • 長期的にチャットレディを続けるつもりがある
  • 将来的に他の事業(ブログ・動画配信など)と組み合わせて収益化したい
  • 青色申告のメリットを受けたい

開業届を出さなくても良い人

  • 副業として少額の収入(年間20万円以下)を得たい
  • 配偶者の扶養内で働きたい
  • 短期間だけチャットレディをするつもり
  • 確定申告の手続きを簡単に済ませたい

開業届の提出方法

開業届の提出は、以下のステップで行います。

1. 税務署へ書類を提出

最寄りの税務署で「個人事業の開業・廃業等届出書」を記入し、持参または郵送で提出します。

2. 「青色申告承認申請書」も一緒に提出

青色申告を希望する場合は、開業届と同時に「青色申告承認申請書」を提出しましょう。

3. 控えを受け取る

提出後、税務署から控えを受け取れば完了です。

まとめ

チャットレディとして本格的に収入を得たい場合、開業届を提出することで節税のメリットを受けられる反面、手続きの負担や社会保険の問題もあります。副業として少額を稼ぐだけなら、開業届を出さずに雑所得として確定申告するのも一つの選択肢です。

「どちらが自分に合っているのか?」をしっかり考え、最適な方法を選びましょう。